よく「万一のとき」と表現されますが、誰であっても人間である以上、必ずいつかは死亡します。 また、日本は長寿の国ということもあり、死亡者の多くは年老いて老齢年金を受給してから亡くなることになります。 そこで今回は、身内が死亡した場合の銀行手続きとその人が受け取っていた年金の取り扱いについてお伝えいたします。

身内が死亡した場合の銀行手続き

まずは銀行へ電話で連絡しましょう。

まずは、口座名義人が死亡し、相続が発生した旨を電話で連絡します。その際、死亡者の通帳やキャッシュカードなど取引内容が分かるものを準備した状態で連絡しましょう。

この連絡を入れたタイミングから相続の手続きが全て完了するまで、その口座から入出金等の取引ができなくなります。

もし、家賃の引き落としや葬儀費用を死亡者の口座から支払う予定であれば、担当者に相談しておきましょう。

また、遺言書、遺産分割協議書の有無、遺言執行者の有無などにより必要書類が異なりますので、状況を説明し、必要書類等の準備物をしっかりと確認しておきましょう。

相続人が複数人いる場合は、残高証明書の発行についても確認しておくといいでしょう。

必要書類の提出(一般的な例)

相続の状況により、必要書類が異なりますが、一般的には状況に応じ、次のような書類が必要になります。

ここで使う様々な書類は、相続手続き中、銀行以外でも使うことになるかもしれません。

その都度、それらの書類を発行していると、それなりの金額になってしまいますので、提出時に返却可能か確認しておくといいでしょう。

払い戻し等の手続き

書類に不備等がなければ、提出後約2週間で払い戻しが行われます。ローン融資などの取引があった場合には、日数が延びる可能性があります。

年金の取り扱い

公的年金は年金事務所へ連絡

老齢年金を含む公的年金を受け取っている人が死亡した場合には、年金事務所または街角の年金相談センターへ連絡を行わなければなりません。

ねんきんダイヤルや年金事務所に問い合わせれば必要書類を確認できます。

年金は後払い、受け取れば一時所得

年金は、「12月・1月分を2月に入金」という具合に、後払いで2ヶ月に1度、偶数月に支払われます。

たとえば、12月に死亡した場合、2月に入金されるため、本人は12月分の年金を受け取らないまま死亡したことになります。

この12月分の年金は遺族が受け取れます。受け取った場合であっても、相続財産とはみなされないため、相続税はかかりませんが、受け取った遺族の一時所得として所得税および住民税の支払いが増える可能性があります。

一時所得の金額の合計額が50万円以下であれば、確定申告は不要で、所得税・住民税の支払いが増えることはありません。

詳細は税務署へ確認しましょう。また、2月に12月・1月分が入金されたとしても、1月分については受け取ることができず、返納を求められますので、うっかり使ってしまうことのないよう気をつけましょう。

あわせて読みたい

老後における公的年金の受給金額の計算方法
老後が心配な方は必見!労働収入を得ても年金を減額されないためにすべきこと
財務省、年金の受け取りを68歳にき引き上げ検討!?iDeCoで備える老後戦略
あなたの老後資金の目安はいくら?シミュレーションで解決!
ワンルームマンション投資の収入に直結!家賃にまつわる2つのリスク

The following two tabs change content below.
FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。