「仮説思考」とは?
最近、よく聞かれる「仮説思考」という言葉。
その意味するところは、「情報が不十分で、分析があまりできていない段階でも、その時点で考えられる仮説」、つまり仮の答えをもとにして行動し、その答えが合っているのか検証するという考え方のことを言います。
「仮説」と「検証」を繰り返し修正しながら正解と解決策を見出していくのが仮説思考です。
はじめに仮説を立て、検証し、それが間違っていたら、また新たな仮説を立て検証します。
こうして、「仮説」⇒「検証」を繰り返して軌道修正をしながら、だんだんと核心に近づいていき、問題の解決策を見つけ出します。
この能力を磨くことによって意思決定力も磨かれていくのです。
この「仮説思考」の方法で仕事を進めていくことで仕事の精度を高めることができ、仕事をスピーディーにしていくことことができ、大幅に効率が上がります。
仮説思考をするためのプロセス
①問題発見するための仮の答え「仮説」を立てる
②問題を検証する
ここで間違っていたら①に戻る
③問題解決の仮説を立てる
この①~③のプロセスの繰り返す
「仮説思考」は日常生活でごく当たり前にしている
「仮説思考」というとなんだか難しそうな感じがしますが、実は日常生活でも普通に用いているのです。
例えば、ドライブする際に、「週末には道路が混雑するだろう」と言うように予想を立てるのが「仮説」です。
そして、過去のデータを調べたり、渋滞予想を調べたり、過去にその道路を使った知人に尋ねてみたりします。
これが検証です。それで、やはり混んでいるようなら、「朝、早く家を出ることにしよう」と解決策を出すことを決定できます。
そして、実際その道路を走ってみて、それでも混んでいることが分かれば、次にはもっと早く家を出るとか、他のルートで走ってみようという、さらなる解決策ができるのです。
もっと簡単な例を挙げると、空を見て「雨が降りそうだ」と仮説を立て、「それならば、傘を持っていこう」というように、特に意識することなしにごく自然に仮説思考をしているのです。
仮説思考のスキルが身に付けられれば、物事全体を見て大きなストーリーが描けるようになるため、意思決定力が身についていきます。
そして、常に日ごろからアンテナを高くしてどんな情報が必要なのかが明確になります。
ところが、実際これがビジネスの場だと、仮説思考をすることに対しハードルが高くなってしまう方が多いようです。
「良く調べもせずに仮説を立てるよりも、十分な情報を集めて本質をつかんでから慎重に仮説を立ててから検証するべきだ」といった思考法、「網羅的思考」をする方が多いようです。
「日本企業で多い「網羅思考」による検証
しかし、一般的にビジネスの現場では、先鋭的なIT企業では「仮説思考」は取り入れられておりますが、その他の業界では敬遠されがちです。
実際に結論を出す前にできる限り多くの情報を集め、徹底的に分析してから、全体的な本質を見極めていく「網羅思考」による検証が採用されています。
時間をかけてあらゆることを網羅するように慎重に問題分析をして、検証して解決策を見出すという方法です。
これに対して、仮説思考は、まずはとりあえず、その時点での仮説を立て、結論をシミュレーションし、素早く検証して解決策を見出していきます。
その仮説が間違っていたら、別の仮説を立て、検証・・・これを繰り返し、何度も修正をしながら、次第に核心へとフォーカスしていき、解決策を見い出すのです。
一見、「網羅的思考」のように集められるだけの情報を集めてから、結論に向かっていく方が慎重で効率がよい方法だと思われがちです。
しかし、今のようなスピードが求められる時代においては、十分な情報を集めてからでは正解が出る前に時間切れになってしまう可能性が高いです。
その理由は情報を集めて、完全な分析をしてから検証に入っていくやり方では、情報収集ばかりに時間がかかってしまいます。
そして検証や分析に時間がかけられず、仕事の精度があまり高くない物になってしまうこともあります。
仮説思考は、情報収集や分析よりも前にまずは仮説を立てます。どんなに情報が少ない状態であっても、まずは仮説を立てるのです。
情報が少ない段階で仮説を立て検証する。そしてまた新たな仮説を立てて、検証…と、このような思考パターンを習慣づけすることが「仮説思考」です。
この「仮説思考の方法」を取り入れると、仕事をする速度がグンと上がります。
コンサルタントの多くが「仮説思考」を採用
コンサルタントの多くは、仮説思考を採用しています。
何故ならば、仮説思考をすることによって自分の立てた仮説に関係した情報だけを集めて、素早く問題の結果をシミュレーションし、スピーディーに検証をおこなうことが出来るからです。
それが間違っていたら再び仮説を立てて検証、といったように効率よくスピーティーに結論に向かうことが出来ます。
こうして仮説にフォーカスして行動することで仕事の質も高くなります。
仮説思考のメリットは?
とりあえず情報が少ない中で仮説を立てることは無駄が多いのではないか?と感じる方もかもしれません。
実際にはその逆です。
「仮説思考」を実践できるようになると、無駄な時間を省けるため、仕事の効率が劇的にアップします。
しかし、「仮説思考」で仕事の効率を上げるためには、以下の2つのことができていることが条件です。
- 特に具体的行動レベルに近い仮説においては、より「解」に近い仮説を立てられるようになること
- 検証の質とスピードを高め、仮説検証の作業を早くまわせるようになること
二つ目の条件は、スピードを増していくことで処理能力を増やし、それによって精度も維持しようというものです。
始めよう仮説思考!
多くの情報・判断する材料が集めていない段階で、「仮説」を立てます。
初めのうちは、慣れないため、あまり根拠を求めることはせず、「こんな感じ」というような具合で仮説を立ててみてください。
とりあえず、その時点での「仮説」を立て、「検証」に向けてすぐに行動することが大切なのです。
トライ&エラーを素早く繰り返して行うことで、徐々に正解に近づいていきます。
そうすれば、無駄な仕事をすることがなくなり、仕事が早く終わるようになります。
仮説思考のスキルが身についてくるにしたがって、仕事のスピードが上がり、仕事の質も高くなります。
意思決定の質を高めることにおいても、仮説思考の習慣をすることは重要なことです。
まとめ
仮説思考については、実践していくために訓練がかなり必要です。
しかし、この能力を身に付けてしまうと、効率良く仕事を進められるようになります。
初めはなかなか思うようにいかなくても、繰り返して身につけていくようにしましょう。
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