不動産の税金のなかでも大きな課税額となる相続税。大切な家族に不動産を残したい。でも、相続税でどのくらい税金が掛かるのか心配。そんな悩みを持っていませんか。 不動産を上手に購入することで相続税を抑える税金対策があります。なかでも土地と家屋が相続税でどう評価されるのかにターゲットを絞った税金対策は有効な方法として知られています。 もし現金や預貯金のまま相続すれば、相続税を算出するときの財産の評価額は金額通りです。しかし、前もって土地やマンションといった不動産を購入しておくと現金のままより最大3分の1くらいまで相続税を抑えることができます。 ここでは賢く相続するための不動産と、税金にまつわる知識を確認していきましょう。

実際に相続税が課されるのは全体の8%

相続税にはさまざまな税額控除があります。

もし3,000万円の相続額でも、誰でも評価額から差し引くことができる基礎控除や、夫婦が亡くなった場合の配偶者控除、未成年控除など、さまざまな金額が差し引かれて相続税の計算がされるため、実際に相続税を納めなければならないのは全体の約8%です。

ただし、もしまとまった預貯金や都市部に広い土地を持っているなど、相続時の税金が心配なときは相続財産がいくらになるのかシミュレーションしておく必要があります。

とくに土地や家屋といった不動産は財産のなかでもウエイトが大きいため、税金対策を練っておくことが大切です。

なぜ現金より不動産なのか

相続税は持っている財産の種類によって評価額の計算式が異なります。

現金や預貯金は100万円なら100万円で評価されますが、土地やマンションのように不動産だと計算式によって現金や預貯金より評価額が下がる仕組みになっています。

土地や家屋の相続税評価額

土地に対して相続税がどのくらい掛かるか、おおよそは地下公示価格の約8割です。都市部を中心に「路線価方式」によって計算されます。路線価とは毎年国税庁によって発表される土地の評価額のことです。

なお、郊外や山間部によっては「倍率方式」を使って計算することが多いです。固定資産税評価額 × 不動産のあるエリアの計算倍率で評価額がわかります。

一方、住宅やマンションなど家屋は固定資産税評価額の約50%〜70%です。

現金や預貯金より不動産の評価額が低いのは、土地や家屋のその時点での市場価値を税金計算に反映させようという目的があります。

土地の評価額は住宅よりマンションがおすすめ

現金や預貯金より最大5割程度まで評価額を抑えることができる不動産。土地にどのような建物があるかによってさらに土地そのもの評価額を下げることが可能です。

土地の評価額を大きく左右するのは建物の室数です。住宅とタワーマンションならどちらが室数が多いでしょうか。

タワーマンションのほうが多いのは明白です。50室や100室以上あるような都心のタワーマンションで、さらに高層階の部屋なら節税効果はいっそう高まります。

マンションが不動産評価でお得なのはなぜ?

なぜタワーマンションは相続でお得なのでしょうか。

まず、タワーマンションの土地の持分は室数分で分配されます。1億円の土地に一戸建て住宅で住んでいる人より、100室のタワーマンションの1室のほうが土地の評価額は100万円で済むため、相続税評価額も一気に下がります。

また、タワーマンションは市場の人気が高いので、もし相続後に換金しようとしたとき比較的高めに売却しやすいというメリットがあります。

中古の一戸建てより利便性の高い都心のタワーマンションのほうが買い手が付きやすいのです。

相続では遺言書で指定されている場合を除くと、相続人で遺産をどう分割するか話し合わなければなりません。

もし現金や預貯金以外に不動産があると、その評価や受け取り方法を巡ってトラブルになることもよくあります。

相続財産を現金で分配したいとき、不動産のなかでもタワーマンションは換金しやすいのがポイントです。

タワーマンションのまま相続しても、別に生活の拠点があればそこには住まない場合もよくあります。そんなときタワーマンションは賃貸にして有効活用できます。

賃貸収入から固定資産税や修繕費をまかなうことも可能です。

もし財産をすべて現金や預貯金で残したいと考えているのなら、不動産にしておくことも検討してみましょう。一部の現金を土地や建物に変えておくだけで、相続人の税金の負担は少なく済むケースが多いのです。