当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、 「① 日韓関係、混迷を深める、貿易・安保」「②米中関税報復合戦、日米貿易交渉は合意」「③米経済界、『株主第一』見直し」「④年金、財政検証、企業年金は株離れ進む」「⑤東証REIT活況、初の敵対的買収も」です。

①日韓関係、混迷を深める、貿易・安保

8月12日、韓国政府が、安全保障にかかわる戦略物資の輸出管理優遇対象国から日本を除外すると発表しました。これは、8月7日、日本が韓国を優遇対象国から除外したことへの報復措置とみられています。また、韓国政府は、8月23日、日韓軍事情報包括保護協定を破棄すると日本政府に通告してきました。一体どこまで日韓関係は悪化してしまうのでしょうか。この事態を憂慮し、米政権は対立解消を求めました。

韓国内の反応は、賛否が大きく割れているようです。与党や政権支持の革新系メディアは賛成、一方、野党や保守系メディアは、安全保障の危機を憂慮しています。日本政府には、毅然かつ大人の対応を希望します。加えて、米国には、何とか、仲介役を果たして貰い、正常な日韓関係に戻して頂きたいと思います。


②米中関税報復合戦、終息に向かうか、日米貿易交渉は合意

8月23日、米中は、互いに制裁措置を拡大して、関税率を引き上げると発表しました。これを受けて、米国産業界は影響を懸念する声が相次いでいます。特に、関税が直撃する農業・自動車関連企業・団体にとっては、深刻な問題です。

この声が耳に入ったのか、8月26日、先進国首脳会議(G7)で、トランプ大統領は中国との貿易協議を再開する方針を表明しました。記者団に対し「中国との交渉を再開する。とても大きなことが起きるだろう」と語りました。同日、中国の劉鶴副首相も、重慶市内での講演で米国との貿易戦争について「冷静な態度で問題を解決したい」と語りました。次回の交渉で、貿易戦争の収束に向け、大きな進展が得られることに期待します。

一方、日米貿易交渉は、安倍首相とトランプ大統領が、8月25日、先進国首脳会議(G7)にあわせて2度会談し、基本合意に至りました。2回目の会談の冒頭、トランプ大統領は「9月下旬の国連総会をメドに署名できるようにしたい。これから細部を詰める」と語りました。安倍首相も、2回目の会談で「9月に首脳会談をし、貿易協定案に調印することを目標にしたい。その為の作業を加速する」と表明しました。 このまま作業が順調に進み、9月下旬の署名まで完了することを期待します。


③米経済界、「株主第一」見直し

米主要企業の経営団体、ビジネス・ラウンドテーブルが、8月19日、「株主第一主義」を見直し、従業員や地域社会などの利益を尊重した事業運営に取り組むと宣言しました。これは、株価上昇・配当増加等、投資家利益を最優先にしてきた米国型資本主義にとって大きなターニング・ポイントとなります。

公表した声明には、JPモルガン・ダイモンCEO、アマゾン・ベゾスCEOなど、181人の経営トップが名を連ねました。賛同した企業は、顧客・従業員・取引先・地域社会・株主といった全ての利害関係者の利益に配慮し、長期的な企業価値向上に取り組むそうです。

米国の変革は、日本における株主と企業の力関係にも影響を及ぼす可能性があります。と言うのも、ここ数年、日本企業は海外投資家から促され、株主重視経営への転換を迫られてきたからです。全ての利害関係者への利益に配慮する経営は、日本の経営者が長年にわたって主張してきた経営思想です。

今後は、日米とも過度の株主重視・軽視に陥ることのないように、全利害関係者に 配慮する経営スタンスを継続していって欲しいものです。


④年金、財政検証、企業年金は株離れ進む

厚生労働省が、8月27日、公的年金制度の財政検証結果を公表しました。それによりますと、経済成長率が一番高いシナリオでも、将来の給付水準は現在よりも16%減少し、成長率が横ばいで続くケースであれば、3割弱も低下することが判明しました。

60歳まで働き、65歳で年金を受給する今の高齢者と同水準の年金を、現在20歳の人が貰うには、68歳まで働く必要があるとの試算も示しました。改めて、年金制度の改革が急務であることが浮き彫りになりました。

一方、企業年金は株式離れが進んでいます。2019年3月期、年金資産を開示している上場企業のうち54%に当たる366社で株式の割合が前期に比べて低下しました。理由は、価格変動の大きい株式を減らし、企業財務への影響を軽減する為です。中には、株式の運用比率をゼロにした企業もあります。代替資産として、海外債券・不動産などへの比率を高めていますが、こちらも利回りは低下しており、運用の難しさは一段増しています。


⑤東証REIT活況、初の敵対的買収も

東証REIT市場の活況が続いています。9月5日、東証REIT指数が、心理的節目である2100を上回りました。2100台の回復は、2007年8月以来、約12年1カ月ぶりです。

世界的な金融緩和観測に加え、今後の増配期待から、利回り商品のREITに資金が流入しています。債券などに比べた分配金利回りの高さから、国内外投資家や地銀などの買いが入っています。国内REITの予想分配金利回りは、3.6%で、東証1部の予想配当利回りの2.6%を上回っています。あるファンドマネージャーは、当面、東証REIT指数は2300を目指すとみています。