サラリーマンの与信力とは
「与信」とは、文字どおり取引する相手に「信用を与える」という意味があります。
不動産投資で投資用物件を購入するとき、多くの人がローンを利用すると思いますが、ローンを利用するときには金融機関のローン審査に通らなければいけません。
資金を貸す側(金融機関)としては、不動産投資で大きな金額を貸す(融資する)のだから、借りる側(ローン借入者)の「お金を返してくれる能力、信用力があるかどうか」を審査したうえで融資するかどうかを決めたいものですよね。
信用力を審査するうえで見られるのが与信の状況で、これがローン実行の可否に大きくかかわることになるのです。
与信に影響を与えるのは借りる側(ローン借入者)の収入や職業、勤務先、勤続年数やほかの金融機関からの借入、返済状況などで、これらの項目を客観的に見て、金融機関は確実に返済してくれる人物かどうかを判断します。
数多くの項目の中で日々の収入源になる「職業」が与信に与える影響はとても強く、サラリーマンは安定的な収入を見込める職業と見られるため、たとえ高収入でも収入が不安定な個人事業主に比べると、信用力が高くなるのです。
サラリーマンであるだけで与信の状況が有利になり、投資用ローンの融資を受けやすくなるため不動産投資を始めるハードルがぐっと低くなるのです。
うまくいえば安定的な不労所得を得られるうえ、サラリーマンの強みを活かすことができる不動産投資。
サラリーマン大家が増えている背景には、サラリーマンがもたらす与信の強みも影響しているのです。
サラリーマンでも与信が一気に不利になる個人信用情報
与信が有利になるサラリーマンですが、上述したとおり与信に影響を与える項目は職業だけではありません。
与信に影響を与える項目の中で、もっとも気をつけておきたいのが過去の借入や返済状況といった個人信用情報です。
クレジットカードの支払いを何度も延滞したり、複数の金融機関から借入をしていたりと、個人信用情報に傷がついているような場合はたとえサラリーマンでも融資を通すことがほぼ不可能になります。
不安な人は、ローンを借りる前に個人信用情報を確認しておきましょう。
個人信用情報については、以下の記事をご覧ください。
参考記事
・あなたは大丈夫?お金の使い方が丸裸の個人信用情報とは?
与信の審査基準は金融機関によって異なる
職業や個人信用情報のほか、勤続年数や勤務先、雇用形態などの項目も与信に大きな影響を与えます。
「サラリーマンが有利で、個人信用情報に傷があるとほぼNG」という審査基準はどの金融機関でも共通していますが、金融機関ごとに大きく審査基準が変わってくるのがこの勤続年数や勤務先、雇用形態です。
上場企業勤務が有利になる金融機関もあれば、勤務先よりも勤続年数の長さを重視する金融機関もあります。
サラリーマンであり、個人信用情報がクリーンな状態であれば審査はぐっと通りやすくなりますが、そのほかの審査基準を満たすかどうかは、金融機関によって異なります。
ただ、ひとつの金融機関で融資が通らなくても、ほかの金融機関では融資が通る可能性があります。
最近では審査条件を緩和している金融機関も増えており、転職したてで勤続年数が短くても融資が通る場合があります。
サラリーマンであるだけで強力なアドバンテージがあるのですから、勤続年数などで諦めてしまう前に、複数の金融機関を確認してみるようにしましょう。
購入物件の価値は徹底的に調べておこう
与信審査が通り、金融機関から返済能力があるとみなされた場合でも、ローンの融資が受けられない可能性があります。
これは個人の住宅ローンを組むときも同じですが、金融機関の融資条件に満たない不動産の場合、個人の与信審査がOKでも融資が通りません。
違法建築の物件などはもちろん、資産価値が見込めない物件などに融資をするのは避けたいというのが、金融機関の本音なのです。
不動産投資の成功は投資する物件によって大きく左右されるため、物件選びは念入りなリサーチや比較を元に行いましょう。
まとめ
投資を始めたいと思っているサラリーマンの人こそ、せっかくの信用力を活かせる不動産投資がおすすめです。
もちろん、サラリーマンというだけで絶対与信審査に通るわけではないですし、物件によって融資が受けられない可能性もあります。
不動産投資を始める際には与信審査が通る条件を満たしているかどうか確認し、融資が通る優良物件選びを入念に行う必要があります。
始めは大変ですが、事前準備さえしっかりしておけば、あとは本業に支障をきたすことなく安定的な副収入を得られるのが不動産投資です。
サラリーマンですら先が見えない不安定な時代だからこそ、長期投資による副収入を持つことこそが、将来を明るくする鍵なのではないでしょうか。
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