広告に記載されている利回りだけでは見えない部分がある
不動産屋の広告や販売資料で頻繁に目にする利回り。利回り11%と聞くと、どう思いますか?
銀行の金利がこれだけ低い現状を考えると、とても魅力的だと思われるかもしれません。しかし、ここで注意しなければいけないことがあります。
それが、紹介されている利回りの数字はあくまで参考程度にしかならないという点です。
不動産屋の広告や販売資料で紹介されている利回りの数字は、表面利回りという数字です。この、表面利回りは以下の計算式で求めることができます。
年間の家賃収入 ÷ 総事業費(物件取得費)×100=利回り(表面利回り)
つまり、投じた資金に対してどの程度の収益が見込めるのか?という数字ということができます。
しかし、ここで見逃してはいけないのが、総事業費(物件取得費)以外の経費が算入されていない点です。
不動産を持つと、その後に様々な経費が発生していきます。例えば、修繕が必要になれば修繕費
が必要になりますし、火災保険や地震保険といった保険も必要になってきます。
また、固定資産税や都市計画税といった税金の存在も無視できません。この他にも、様々な経費が必要になってくるのですが、表面利回りにはこれらの経費が考慮されていないのです。
不動産投資における利回りは実質利回りで考える
先程も紹介した通り、広告や販売資料に記載されている利回りには、物件を取得してからの経費が計算に入れられていません。
つまり、現実を反映していないという見方もできます。そこで、重要になってくるのが実質利回りです。
実質利回りとは、先程紹介した表面利回りと違い、不動産を取得した後にかかる経費も計算に入れて算出された利回りのこと。計算式は、以下のようになっています。
(年間家賃収入-必要経費)÷ 総事業費(物件取得費)×100=利回り(実質利回り)
当然ですが、この実質利回りの方が諸々の経費を算入している分、不動産投資における実態を表しているということができるでしょう。
しかし、不動産投資をこれから始めようと考えている人にとっては、どのような経費が発生するのか具体的にイメージできないこともあるでしょう。
そこで、次章では代表的な経費について紹介していきたいと思います。
物件を手に入れたらどんな経費が必要になる?
不動産投資は、物件を購入する以外にも様々な費用が発生します。
ここでは、それらの費用の中でも代表的なものを紹介していきたいと思います。
- 返済金(利息を含む)
- 物件のメンテナンス費用
- 修繕費
- 修繕費積立金
- 光熱費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 賃貸事業関係で必要になる共益費
- 保険料各種
- 物件取得に必要な各種手数料
以上のものが、不動産投資で発生する代表的な必要経費になります。
その他にも、細かな費用が発生することも考えられるので、ある程度の余裕を持った数字を入れておくようにしましょう。
ここで大切になってくるのは、あまり数字を細かく算出することではありません。
最初から、きっちりと数字を把握するということは難しいですし、どうしても見えてこない数字というものもあるからです。
そのため、あまり厳密に計算する必要はありません。
大切なのは、ざっくりでもいいので必要な経費のイメージをつかみ、不動産投資によって得られる予定の収益がいくら程度残るのか?をイメージすることにあります。
まとめ
不動産投資で大切になってくるのは、実質利回りです。なぜなら、最終的に不動産投資によって、どれだけの収益が手元に残るのか?という部分にあるからです。
実質利回りをしっかりと把握していなければ、広告の利回りを見て購入したのに、思ったほどお金が手元に残らないということにもつながります。
そうならないためにも、表面利回りを元に、実質利回りも計算しながら物件を見るようにしましょう。
あわせて読みたい
・不動産投資をはじめるなら新築?それとも中古?それぞれのメリットとデメリット
・ワンルームマンションの投資をはじめる前に知っておきたい空室リスク対応策
・アパートやマンションなど賃貸入居者は必見!火災保険の賢い選び方
・不動産投資で節税対策。どんなものが経費計上できる?
・老後資金対策に!50代でもできるワンルームマンション投資